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論文名 |
前頭前野の成長,成熟,発達―認知神経科学による知見― |
論文言語 |
J |
著者名 |
相原 正男 |
所属 |
山梨大学医学部小児科 |
発行 |
神経心理学:24(1),40─47,2008 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
認知情報処理過程における時間的統合に不可欠な前頭前野は,成熟が最も遅い脳領域である.したがって,前頭前野機能の脆弱性は長い期間におよび,さらに早期の前頭葉の損傷は障害が直ちに明らかにならず,思春期前後で学習障害,注意欠陥/多動性障害さらには非道徳的社会問題などに進展する.前頭葉障害を被った小児の発達的問題を理解するためには,小児期におけるワーキングメモリや実行機能を明らかにすることが必要である.前頭前野の機能には,内的提示に基づいた文脈依存性理論と新奇刺激に対する探索処理に基づく文脈非依存性理論が提唱されている.本研究では,前頭葉の年齢に伴う側性を検討するため,認知偏向課題(CBT)を試行した.幼少児は右前頭葉機能である文脈非依存性理論であったが,思春期以降は左前頭葉機能である文脈依存性理論になっていった.すなわち前頭葉機能の側性は右前頭葉から左前頭葉にシフトすることが確認された.文脈依存性理論の機能解剖を明らかにするため,99mTc HM-PAO SPECTとSPM99を使用して賦活試験を行った.CBT試行中,両側背外側前頭前野,中側頭回,左下前頭葉,左紡錘回がコントロール課題に比して有意に賦活されていた.これら脳部位の相互協調による神経ネットワークが文脈依存性理論に関与しているものと考えられる. |
Keywords |
前頭葉機能, 実行機能, 文脈, 発達障害 |
別刷請求先 |
〒409-3898 山梨県中央市下河東1110番地 山梨大学医学部小児科 相原正男
maihara@yamanashi.ac.jp |
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