学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (715K)
論文名 金沢の城下町文化
論文言語 J
著者名 石田 寛人
所属 金沢学院大学学長
発行 神経心理学:24(3),188─195,2008
受付
受理
要旨 金沢は,江戸期,我が国最大の大名の城下町として発展してきた.金沢は,恵まれた自然環境と人々の活動によって,豊かな経済力が形成され,文化の花を咲かせた.これには,江戸初期の前田家の歴代藩主を初めとする先覚者の努力によるところが大きい.同時に,金沢の文化は,大名や武士たちだけで担われたものではないことも,強調されなければならない.北陸地方の農民や商工業者がそれぞれの本分を尽くし,それが,大名や武家の活動と一体となって,今日に受け継がれているのが金沢の文化である.
金沢文化には,独自性と典型性の両要素があるのに気付かされる.独自性は,中国文化を受け入れてその究極の和風化を果たした京都とは完全に異なり,まだ,全国の産物と特徴,西洋文明を吸収して大成長した江戸東京とも違う,内在的に豊かさを求めて文化を花開かせていった町であることに見られる.他面,日本に多い城壁のない城下町の典型,周囲と一体となった城のある大きな都市として,その典型となっているのである.このような金沢文化の特質を今後ともいろいろな機会に発信していきたい.
Keywords 金沢, 城下町文化, 大名, 江戸時代, 前田家
別刷請求先 〒920-1392 石川県金沢市末町10 金沢学院大学 石田寛人 hiroto.ishida@nifty.com


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/