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論文名 |
認知にはどれほど見えれば充分か? |
論文言語 |
J |
著者名 |
水田 秀子 |
所属 |
藤井会リハビリテーション病院リハビリテーション部 |
発行 |
神経心理学:24(3),211─220,2008 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
進行性の視覚性失認を呈した症例を報告した.症例は初診時55歳の男性.夜間の運転のしにくさ,書字の障害から,約10年後に皮質盲へと至った.この時期にも読みは比較的保たれていた.本例の失認の特徴は,既知のかたちについては認知が良好だが,無意味図形などでは認知が不能となることであった.種々の検索から,本例では視覚系の脆弱さは進行していたが視覚記憶表象は良好に保存されていたために,既知の対象においてはこの良好な視覚記憶表象からのトップダウン的処理により認知が可能であったと推定された.こうした視覚失認の特徴はこれまで報告がなく,視覚性失認の分類や統合型失認の病態把握へも示唆を与える症例と考えられた. |
Keywords |
視覚性失認, 統合型失認, 知覚型失認, 視覚記憶表象, posterior cortical atrophy |
別刷請求先 |
〒579-8026 東大阪市弥生町17-6 藤井会リハビリテーション病院 水田秀子 |
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