学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (1378K)
論文名 失文法と反響言語を呈した交叉性失語の1例
論文言語 J
著者名 阿部 晶子1), 石合 純夫2), 関 啓子3), 三輪 隆子4)
所属 1)国立身体障害者リハビリテーションセンター(現 国立障害者リハビリテーションセンター)学院言語聴覚学科
2)札幌医科大学医学部リハビリテーション医学
3)神戸大学医学部保健学科
4)みわ内科クリニック
発行 神経心理学:24(4),282─290,2008
受付 2008年1月8日
受理 2008年5月22日
要旨 右半球損傷により失文法と反響言語を呈した交叉性失語の1例を報告した.本例は,課題発話に比べて,自由発話で助詞の省略が多く認められた.単位時間当りの語数も,課題発話に比べ自由発話で多かった.これらの結果から,電文体発話は,速い処理が必要な課題で生じやすい可能性が示唆された.また,課題発話と課題書字の比較からは,助詞の誤りが後者において少ないことが明らかになった.書字において,電文体が目立たない理由としては,中断や挿入などの方略が許容されることが考えられた.本例の反響言語については,十分な自覚がありながら抑制できない点,自発話と共通した文法的誤りを含む点が特徴的であった.
Keywords 失文法, 電文体発話, 反響言語, 交叉性失語, 右半球損傷
別刷請求先 〒359-8555 埼玉県所沢市並木4-1 国立障害者リハビリテーションセンター学院言語聴覚学科 阿部晶子 abe@rehab.go.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/