[第24巻第4号目次へ] Japanese/English

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論文名	右側頭後頭葉皮質と頭頂葉皮質の小梗塞で書字障害を呈した両手利きの1例
論文言語	J
著者名	水上　匡人1）, 渡辺　正代2）, 新井　弘之3）, 今村　徹1）
所属	1）新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 2）新潟脳外科病院リハビリテーション部言語聴覚科 3）同　脳神経外科
発行	神経心理学：24（4），291─298，2008
受付	2007年1月9日
受理	2008年5月22日
要旨	症例は80歳両手利き男性．発症16日目の頭部MRIで右側頭後頭葉皮質と頭頂葉皮質に新鮮小梗塞を認めた．神経心理学的所見としては左半側空間無視，構成障害，観念失行が見られた．失語症状は見られず読字も正常であったが，書字では漢字，仮名ともに自発書字，書取，写字，なぞり書きで重度に障害されていた．誤反応として無反応，存在字近似反応とともに，文字の構成線分は全て存在しているが配置が崩れる反応が見られた．空間性失書も合併していた．発症3，4カ月時には左半側空間無視，構成障害は改善した．書字障害も改善し誤反応も減少したが，存在字近似反応と構成線分の配置が崩れる反応を中心とする自発書字，書取，写字の障害が残存した．本症例は，非定型側性化を基盤とした右半球損傷により優位半球症状と劣位半球症状が合併していた．書字障害に関しては構成失書，純粋失書，空間性失書の3つの要素が合併して生じたと考えられる．
Keywords	非定型側性化, 孤立性失書, 純粋失書, 構成失書, 空間性失書
別刷請求先	〒950-3198　新潟市北区島見町1398　新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科　今村　徹 imamura@nuhw.ac.jp