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論文名 ギャンブルする脳:神経疾患における社会的認知機構
論文言語 J
著者名 小早川 睦貴
所属 昭和大学医学部神経内科
発行 神経心理学:25(1),30─36,2009
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要旨 パーキンソン病(PD)患者では一部の症例で病的賭博や性行動の亢進がみられるなど,行動障害が生じることが指摘されている.我々はPD患者の行動選択についてギャンブル課題を用いた検討を行い,脳病変と社会的認知機能について考察した.
ギャンブル課題を用いて意思決定過程を検討すると,PD患者では健常者に比べハイリスクな行動を選択した.また,ギャンブル課題中の情動反応を測定すると,PD患者では損失や報酬に対する反応が健常者よりも低下していた.
過去の研究結果と合わせて,PD患者における社会的認知機能の変容は情動処理機能の変化と関連していると考えられ,その基底には扁桃体を中心とする辺縁系ネットワークの機能不全が関与していると考えられる.
Keywords パーキンソン病, 社会的認知, 意思決定, ギャンブル課題, 皮膚電位反応(SCR)
別刷請求先 〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8 昭和大学医学部神経内科 小早川睦貴 kobayakawa@med.showa-u.ac.jp


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