[第25巻第1号目次へ] Japanese/English

Full Text of this Article in Japanese PDF (303K)

論文名	健忘性軽度認知障害（amnestic MCI）と軽度アルツハイマー病患者の語列挙課題の遂行―他の言語機能検査との比較による検討―
論文言語	J
著者名	崔　賢株1）, 目黒　謙一1）2）, 平岡　宏太良1）, 平山　和美1）, 森　悦朗1）
所属	1）東北大学医学系研究科高次機能障害学 2）現　同　医学系研究科高齢者高次脳医学寄附講座
発行	神経心理学：25（1），57─63，2009
受付	2008年2月19日
受理	2008年6月4日
要旨	健忘性軽度認知障害（amnestic MCI）患者23名，軽度アルツハイマー病（mild AD）患者30名，健常高齢者20名に2種の語列挙課題を実施し，他の言語機能検査（日常的コミュニケーション能力検査（CADL），線画呼称検査）の結果と比較した．結果，CADLと呼称検査において，mild AD患者群の成績はMCI患者群や健常高齢者群に比べ有意に低下していたが，amnestic MCI患者群と健常高齢者群の成績には有意な差がなかった．語列挙については，意味カテゴリーの語列挙（動物）では健常高齢者，amnestic MCI，mild AD群の順で有意に成績が良かったが，音韻カテゴリーの語列挙では両患者群と健常高齢者群には差がみられたものの，amnestic MCI患者群とmild AD患者群の間には有意差がなかった．以上の結果から，語列挙課題は2種ともamnestic MCI患者の軽度の障害を検出できる敏感な課題であることが示唆された．
Keywords	健忘性軽度認知障害, アルツハイマー病, 語列挙, 言語機能障害
別刷請求先	〒980-8575　仙台市青葉区星陵町2-1　東北大学医学系研究科高次機能障害学　崔　賢株 choihyunjoo@mail.tains.tohoku.ac.jp