学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (591K)
論文名 extra-strokeを特徴とした書字障害の1例
論文言語 J
著者名 平川 圭子1), 松田 実2), 鈴木 則夫2), 長濱 康弘2), 翁 朋子2)
所属 1)滋賀県立成人病センター リハビリテーション科
2)同 老年神経内科
発行 神経心理学:25(1),64─71,2009
受付 2008年1月18日
受理 2008年6月16日
要旨 字画の過剰(extra-stroke)を呈する書字障害は,空間性失書や構成失書,失行性失書などの一症状として報告されているが,その発現機序は十分に明らかにはされていない.今回,誤りのほとんどがextra-strokeとなる書字障害を呈した症例を経験した.それは,右手使用時のみに出現し,閉眼条件でより顕著になることが特徴的であった.さらに,文字の上下左右の位置に関係なく,同じstrokeが連続する箇所に多く出現し,ゆっくり書くよう促すと症状は改善した.本症状の機序として,書字運動に限局した抑制障害が考えられ,書字運動におけるモニタリング機能の障害も存在している可能性が推察された.
Keywords 字画の過剰, 求心性失書, モニタリング, 保続, 注意
別刷請求先 〒524-0022 滋賀県守山市守山5-4-30 滋賀県立成人病センター リハビリテーション科 平川圭子


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/