学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (1078K)
論文名 視覚性認知障害
論文言語 J
著者名 平山 和美
所属 東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻高次機能障害学
発行 神経心理学:25(2),137─147,2009
受付
受理
要旨 近年,ヒトの大脳における視覚情報処理には大きく分けて3つの流れがあると考えられている.1)腹側の流れは,後頭葉から側頭葉に向かい,対象を同定したり対象についての知識を呼び出したりするために色や形を分析する.2)腹背側の流れは,下頭頂小葉に向かい,対象の位置や運動を分析し対象を意識することに関わる.3)背背側の流れは,頭頂間溝や上頭頂小葉に向かい,対象の位置や運動,形を分析して,対象に向けた行為の無意識的なコントロールに関わる.腹側の流れの病変では,知覚型,統合型および連合型の視覚性失認が起りうる.背背側の流れの病変では,視覚性運動失調や把握の障害が起りうる.これらの障害について責任病巣,詳しい特徴などを,上記2つの流れの機能との関係で論じる.
Keywords 背背側の流れ, 腹側の流れ, 視覚性失認, 頭頂間溝, 視覚性運動失調
別刷請求先 〒980-8575 宮城県仙台市青葉区星陵町2-1 東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻高次機能障害学 平山和美


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/