[第25巻第3号目次へ] Japanese/English

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論文名	老年期うつ病と認知症の共存と連続性
論文言語	J
著者名	山口　登
所属	聖マリアンナ医科大学神経精神科
発行	神経心理学：25（3），177─181，2009
受付
受理
要旨	老年期うつ病の発症には，心理・社会的要因（病苦・経済苦，離別による孤独感などのストレス）と生物学的要因（脳・身体要因）が関与する．老年期においては，生物学的要因としての脳血管病変やその危険因子はうつ病発症に大きく関与し，うつ病と認知症が併存する症例や連続性のスペクトラムとして考えられる症例がみられる．したがって，診断学的には一時点における横断的観察ばかりでなく，縦断的な経過観察が重要となる．血管性病変の危険因子と考えられる基礎疾患（高脂血症，高血圧，糖尿病）がAlzheimer病（AD）併存やその進行とも関連し，その治療薬（スタチン類や降圧薬など）がADの予防や症状悪化の抑制に効果が期待できるという報告もある．したがって，生活習慣の是正，運動や身体機能の維持等により生活習慣病の治療や予防が老年期うつ病や認知症の予防や症状進行抑制に重要である．
Keywords	うつ病, 認知症, 共存, 連続性, 老人病学
別刷請求先	〒216-8511　神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1　聖マリアンナ医科大学神経精神科　山口　登 n3yama@marianna-u.ac.jp