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論文名 紀伊半島・グアム・ニューギニアのALS・パーキンソン・認知症症候群
論文言語 J
著者名 葛原 茂樹
所属 国立精神・神経センター病院
発行 神経心理学:25(3),182─191,2009
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要旨 西太平洋の東経140度に沿う紀伊半島,グアム,西ニューギニアには,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発生率が他地域の約100倍という多発集落が存在するが,多発は1980年までに消滅したことが報告されていた.著者は1994年から多発集落を再調査し,ALS多発が持続していること,及びグアムのパーキンソン認知症複合(PDC)と同じ疾患が存在することを確認した.神経病理学的には,ALSとPDC共に,多数のアルツハイマー神経原線維変化とALS病変,TDP-43陽性封入体を示すという共通性があった.70%以上が家族性があるので遺伝素因を疑い,類似疾患の既知の遺伝子全てを解析したが異常は認められなかった.食生活と飲用水は,周囲の非多発地区と変わりはなかった.グアムと西ニューギニアの現況を含め,ALS/PDCの疾患像と原因研究の現状を紹介した.
Keywords 筋萎縮性側索硬化症, パーキンソン認知症複合, 紀伊半島, グアム, 西ニューギニア
別刷請求先 〒187-8551 小平市小川東町4-1-1 国立精神・神経センター病院 葛原茂樹 kuzuhara@ncnp.go.jp


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