論文名 |
MMSEの3単語再生課題への補助再生と再認再生の導入―補助再生と再認再生に影響を与える要因の検討― |
論文言語 |
J |
著者名 |
伊藤 直亮1)2), 本田 智子3), 佐藤 卓也2), 佐藤 厚2), 今村 徹1)4) |
所属 |
1)新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野
2)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
3)下越病院リハビリテーション課
4)新潟リハビリテーション病院神経内科 |
発行 |
神経心理学:25(3),203─210,2009 |
受付 |
2008年6月30日 |
受理 |
2008年11月17日 |
要旨 |
MMSEの3単語再生課題に補助再生や再認再生を追加した際に,補助再生や再認再生の成績に影響を与える要因について検討した.AD患者連続126症例にMMSEを施行し,3単語の自由再生で再生できなかった単語に補助再生を,補助再生で再生できなかった単語に再認再生を施行した.自由再生できた単語が0個であった101例(自由再生0群),およびその中で補助再生できた単語も0個であった61例(補助再生0群)に,認知機能障害の全般重症度および近時記憶障害の重症度を統制した分析を行なった.補助再生0群で再認再生できた単語数は近時記憶課題の成績と関係していた.自由再生0群で補助再生できた単語数は遂行機能障害や見当識障害の指標と関係していた.遂行機能障害によって単語記銘時に方略を適宜使用できなくなり,補助再生の成績が影響されると考えられた.見当識課題と補助再生の関係は,両者に当惑作話様の反応が共通の基盤となって生じている可能性が考えられた. |
Keywords |
アルツハイマー病, 補助再生, 近時記憶障害, 遂行機能障害, 見当識障害 |
別刷請求先 |
〒950-3198 新潟市北区島見町1398 新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野 今村 徹
imamura@nuhw.ac.jp |