[第25巻第3号目次へ] Japanese/English

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論文名	左側頭葉後下部病変による漢字失書例―漢字の構造と要素からの分析
論文言語	J
著者名	小森　規代1）, 藤田　郁代2）, 橋本　律夫3）
所属	1）国際医療福祉大学病院リハビリテーション室 2）国際医療福祉大学言語聴覚学科 3）国際医療福祉大学病院神経内科
発行	神経心理学：25（3），221─227，2009
受付	2008年8月11日
受理	2009年2月17日
要旨	左側頭葉後下部病変による漢字失書は目標漢字の形態想起が困難で，書き取りでは無反応が多いとされる．今回，左側頭葉後下部病変により，日本語に実在しない新作漢字を多く書く漢字失書の1例を経験した．本例が書いた新作漢字の発現機序と漢字の形態想起過程について，漢字の構造とそこに配置される要素という観点から分析し，漢字の形態想起過程について検討した．その結果，本例の新作漢字は漢字の構造は保たれていたが，要素の想起を誤っていた．このことから，漢字の形態想起過程には構造想起とその構造の中に配置される要素の想起というふたつの処理が含まれると考えられた．
Keywords	漢字, 失書, 左側頭葉後下部, 構造, 要素
別刷請求先	〒329-2763　栃木県那須塩原市井口537-3　国際医療福祉大学病院リハビリテーション室　小森規代 komori@iuhw.ac.jp